庇は家屋に設置するもののひとつで、古くから日本で伝えられている雨風をしのぐ技術のひとつです。
「庇」を含むことわざや慣用句のなかには、「庇を貸して母屋を取られる」というものがありますが、どのような意味を持ち、どのように使えば良いのでしょうか。
本記事では、庇を含むことわざ「庇を貸して母屋を取られる」の意味や使い方について解説します。
「庇を貸して母屋を取られる」の意味
先述の通り、庇とは家屋の一部を指すもので、窓や玄関の上に取り付けられます。
「庇を貸して母屋を取られる」とは、好意で庇がある窓や玄関先を貸したはずが、いつの間にか母屋全体を取られることを言います。
庇という家屋の一部を貸しただけで母屋全体を取られているため、多少のだましではなく、本当の悪人にだまされた、と解釈することができます。
転じて、恩を仇(あだ)で返されるといったことや、好意から手助けをしたら裏切られるといった意味を持ちます。
「庇を貸して母屋を取られる」の使い方
下記、「庇を貸して母屋を取られる」の使い方の一例をご紹介します。
- 友人を1泊させてあげたが、何日も居座られ、挙げ句の果てに勝手に自分の食料を食べられた。
まるで庇を貸して母屋を取られたような気分だ - あまり良い噂を聞かない人なので、庇を貸して母屋を取られないように注意して付き合っていかなければならない。
- 何度も庇を貸して母屋を取られるような経験をしているにも関わらず、人を良く助けるので、彼は本当に優しい人だ
「庇を貸して母屋を取られる」に似たことわざ
親切な行いを裏切られるようなことわざには、「庇を貸して母屋を取られる」以外にも下記のようなことわざが挙げられます。
- 飼い犬に手を噛まれる
- 恩を仇で返される
- 煮え湯を飲まされる
- 寝首をかく
このような状況に陥らないように、注意して生活を送りましょう。
おわりに
本記事では、庇を含むことわざである「庇を貸して母屋を取られる」の意味や、使い方について解説しました。
「庇を貸して母屋を取られる」とは好意から手助けをしたら裏切られるといった意味を持つことわざで、同じ意味を持つもののなかには「飼い犬に手を嚙まれる」「恩を仇で返される」といったものがあります。
人に対して親切な行いをすることは大切なことですが、庇を貸して母屋を取られないように、注意して生活を送りたいものです。