屋根は庇と同様に直射日光や雨風といった自然現象から、室内を守り快適な環境を維持するための設備です。
しかし、毎日過酷な環境にさらされることで、屋根は徐々に劣化が進行し、雨漏りなどが発生してしまいます。
そのような場合は施工会社などに修繕を依頼しますが、専門用語が多いため理解ができないといった方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、見積もりや着工の際に記載される屋根の部位の名前や機能などについてご説明します。
棟(むね)
棟(むね)は屋根の頂上を指すもので、三角形の頂点であることが多いです。
棟を中心に傾斜が設けられていることから、雨が樋や地面に落ちやすくなるのです。
一般的に、棟は金属製の板金や棟瓦(むねかわら)といった瓦が取り付けられる傾向にあります。
しかし、棟は風や地震の影響を受けやすいため、飛ばされたり崩れたりすることが多い部位です。
谷(たに)
屋根における谷とは、屋根面と屋根面が接合する部位であり、雨水を受けることが主な役割です。
棟が設けられている屋根から流れ落ちる雨水を受け、樋と同じ役割を持つため「谷樋」と呼ばれることもあるのです。
家屋によっては設けられていないことがありますが、谷は性質上雨漏りが発生しやすい部位でもあります。
そのため、谷にはさびにくく雨に強い素材であるステンレスやガルバリウムといったものが用いられることが多いです。
ケラバ
ケラバとは、傾きがある屋根の側面を指すもので、庇と同様に強い日差しが室内に差し込むのを防ぐ役割があります。
また、紫外線による外壁の劣化を遅らせる役割もあることから、家屋には欠かせない設備だといえます。
しかし、屋根のなかでも過酷な環境にさらされることが多いケラバは劣化が進行しやすい設備でもあります。
そのため、ケラバにも劣化がしにくい素材であるケラバ板金といったものが取り付けられます。
淀(よど)
淀は屋根の終わりの部分に使われる部位であり、雨水の水切れを良くしたり、垂れ木の風化を押さえたりすることが役割です。
地方によっては淀貫(よどぬき)や淀木(よどぎ)と呼ばれることがありますが、役割は同じです。
雨に関する部位であることから、淀には雨に強い素材が用いられます。
おわりに
本記事では、屋根の部位や機能についてご説明しました。
屋根は棟や谷、ケラバ、淀といったさまざまな部位で構成されており、それぞれに機能が付与されています。
部位によって劣化の進行度が異なることがあるため、定期的にメンテナンスや補修することをおすすめします。
常に最適な環境に整えておくことで、快適な生活を送れるようにしておきましょう。