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庇が設置されている国宝

庇は雨風を防ぎ、適度な日光を室内に取り入れる、日本の建築設備のひとつです。

現在ではアルミやガラスといったさまざまな素材で製造されていますが、かつての日本では主に木材が使われていました。

職人の技術が詰め込まれた庇は、歴史的建造物や寺社仏閣、国宝の建物にも使われています。

本記事では、庇が設置されている寺社仏閣などの国宝をご紹介します。

 

 

五重塔

五重塔(ごじゅうのとう)は京都府内の6ヶ所に点在する建物で、東寺の五重塔は国宝に指定されています。

それぞれの階層は地・水・火・風・空をかたどっていると言われており、釈迦の遺骨を奉安するために建てられました。

なかは空洞になっていて上の階へ行くことができない構造になっています。

瓦が貼り付けられている部分は庇になっており、現在の建造物と比べてもかなり深い庇であることがお分かりいただけるでしょう。

 

八坂神社本殿

八坂神社本殿(やさかじんじゃほんでん)は京都の中心部である四条通の東端に位置する神社です。

現在の八坂神社本殿は1654年に徳川家綱によって建てられたという歴史があります。

正面と側面の両方に木製の庇が設けられているため、室内では雨の心配がありません。

八坂神社本殿は国宝として高い価値を持つことから、多くの観光客や地元の方が参拝に訪れます。

 

石清水八幡宮

石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)は859年に南都大安寺の僧・行教和尚が奉安したことをルーツに持つ神社です。

全体的に朱色と金色が使われている豪華な見た目で、「男山」と呼ばれる場所に建てられています。

石清水八幡宮には四脚・切妻造(きりづまづくり)・本瓦葺で建てられた東門など、さまざまな場所に入り口や門が設けられており、それぞれに庇が設置されています。

 

このように、庇は歴史的建造物や国宝にも用いられています。

雨風を防ぐという役割は変わりませんが、現在製造されている庇のなかにはこれらの建造物から着想を得たものもあります。

また、現在の庇は昔のものよりも劣化がしにくいなど改善が行われていることから、高い機能性を持ちます。

 

おわりに

本記事では、歴史的建造物に設けられている庇について解説しました。

庇は現代の建物だけではなく、五重塔、八坂神社本殿、石清水八幡宮といった歴史的建造物にも用いられています。

そのため、庇は長い歴史を持つ建築設備のひとつであると言えます。

庇を設置していない住宅にお住まいの方は、設置を検討してはいかがでしょうか。