多くの家では、玄関に庇を取り付けます。
玄関の庇は、外出時・帰宅時の私たちや玄関ドアを雨や日差しから守ってくれる大切なものです。
庇を取り付ける際には、さまざまな種類があるため、どんな庇を取り付ければいいか悩まれることもあるでしょう。
こちらの記事では、玄関に庇を取り付ける際には、どのようなサイズの庇を選べば良いのかを解説いたします。
玄関に庇を設置するメリット
玄関に庇を設置することで、下記のようなメリットを得ることができます。
出入りの際の雨風を防いでくれる
庇が持つ役割のひとつとして、雨風を防ぐことが挙げられます。
窓の上に庇を設置することで、雨水の室内への侵入や防音といった機能がはたらくため、雨の日でも快適に過ごすことができます。
玄関に庇を設置すると、雨の日でも外出時や帰宅時に濡れる量が少なくなります。
庇が無い場合、室内で傘を開いたり閉じたりしなければならないため、内壁が水分などによって汚れてしまいます。
雨水などの水分は内壁・外壁を劣化させ、腐食やカビの原因となるため可能な限り防ぎたいものです。
庇を玄関に設置することによって、傘を庇の下で開閉できるほか、濡れることなく施錠をすることができるようになります。
雨の日でも外出や帰宅が楽になる点は、玄関口に庇を設置するメリットだと言えます。
傷みから守ることができる
玄関は外壁や屋根と同様に、長期間雨風や直射日光にさらされることによって、徐々に劣化が進行します。
手で触ると粉が付着する「チョーキング」や、ひび割れが表面に現れる「クラック」などが劣化のサインです。
劣化の進行状況によっては高額な修繕費用が必要になることがありますが、快適な生活を続けるために最適な状態を保たなければなりません。
玄関ドアの上に庇を設置することで、庇の下にあるドアや外壁といった設備の劣化の進行を遅くすることができます。
一般家屋において、玄関は家のなかでも目にすることが多い場所であることから、キレイな状態を維持したいと思う方は多いものです。
玄関に庇を設置し、劣化を遅くしてキレイな状態を維持しましょう。
汚れを防ぐ
雨風のなかには、水分だけではなくホコリや黄砂といった汚れが含まれているものです。
肉眼では視認できなかったとしても、長い年月雨風にさらされることで外壁に汚れが徐々に蓄積されます。
その結果、外壁の黒ずみやシミといった汚れが付着することにより、景観や機能が低下する恐れがあります。
玄関に庇を設置することでその下の外壁やドアを汚れから守ることが可能です。
また、アルミなど劣化がしにくい素材の庇を設置することによって、庇自身の劣化を防ぐことができます。
このように、玄関に庇を設置することで雨の日でも生活がしやすくなるだけではなく、家屋の劣化を防ぐことができるようになります。
「玄関先で雨に濡れることが多い」「せめて玄関はキレイに見せたい」という方は、庇の設置を検討しましょう。
玄関の庇(ひさし)に最適な長さ
雨除けや日除けとしての役割を持つ庇ですが、十分な長さがなければその役割をしっかりと果たすことができないこともあります。
玄関の庇の最適な長さはどれくらいなのでしょうか?
さまざまな意見がありますが、雨除けの役割を果たすには、奥行きが900mmあれば、庇としての役割を果たすことができると言われています。
ただ、あくまで一般的な意見であるため、参考の一つとして考えておくようにすると良いでしょう。
日除けとして考えた場合には、また別の指標があります。
実際に、庇を設置する建物で考える場合には、庇の下部から床面までの高さの0.3倍ほどの長さの出幅があればその役目を果たすことができます。
まずはご自身で長さを測ってから、この2つの条件を参考として庇を選ぶようにすると良いでしょう。
雨除けを重視するならさらに大きいサイズの庇(ひさし)を
買い出しの際の荷物が多くなることが予想されるなどの理由で、雨除けとしてのより高い効果を求められることもあるでしょう。
そういった際には、より大きなサイズの庇を設置することも検討するようにしましょう。
当然ですが、庇のサイズが大きいほど、雨除けとしての効果は高くなります。
大きい庇(ひさし)の場合は建ぺい率に要注意
庇を取り付ける際には、建ぺい率にも注意が必要です。
玄関に庇を取り付ける際、庇の奥行きが1000mm以下であれば、建ぺい率を気にする必要はありません。
ただ、庇の大きさが1000mmを超える場合、建物の面積の一部に含まれるようになってしまうので、庇の大きさに注意を払う必要が出てくるのです。
もしも、庇を含んだ建物全体の面積が、建ぺい率の範囲を出てしまう場合には、建築基準法を違反することになってしまうため、設置をすることができません。
重要な内容であるため、覚えておくようにすると良いでしょう。
玄関に後付けする庇の種類
「玄関に庇を設置しよう」と考えられていても、庇にはさまざまな種類があるものです。
こちらでは、玄関に後付けする庇の種類についてご説明します。
陸庇(ろくひさし)
陸庇とは、地面に対して水平に設置する庇を指すもので、近年では多くの住宅に設置されています。
陸には「水平」という意味が含まれていることから、陸庇と呼ばれるようになりました。
しかし、完全に水平な庇は上部に雨水や汚れが残ってしまいます。
水はけを良くするために、陸庇の上部には少し傾斜が設けられているものです。
当社が提供している庇も、横から見ると地面と水平になっていますが、上部は傾斜が設けられています。
当社商品ページ:ADシリーズ「AD1」
(https://www.alfin.co.jp/products/ad1/)
当社商品ページ:ADシリーズ「AD-R 逆勾配ひさし」
(https://www.alfin.co.jp/products/adr/)
腕木庇(うできひさし)
腕木庇とは、住宅を支える柱に穴を開け、腕木を差し込むことで固定した庇を指します。
日本の伝統的な家屋に用いられることが多い庇であり、和風建築によって建てられた家屋に見受けられます。
日本家屋の外観を損なわず、庇としての機能も持ち合わせているといった特徴があります。
一方、重量が重かったり、陸庇よりも年月の劣化を受けやすかったりする点には注意が必要です。
関連情報:当社ページ「庇(ひさし)について」
(https://www.alfin.co.jp/alfin/)
庇を後付けする際の費用感
玄関に庇を設置するメリットや、最適な長さをご理解いただいた方のなかには、庇の設置を検討しようとする方もいらっしゃることでしょう。
しかし、庇を後付けする際に必要な工事費用や、庇本体の費用などの費用感は気になるところです。
一般的に、庇を設置する際の工事費用は10万円程度だと言われています。
設置にかかる時間は外壁の素材などにもよりますが、当日完了することが多いです。
注意点として、工事費用に庇本体の費用が加算されることが挙げられます。
庇は商品によって価格が変動するため、事前に施工会社に確認しておきましょう。
また、工事費用を抑えるためにDIYで庇を設置しようと考える方がいらっしゃいますが、外壁を傷める可能性があります。
設置作業中に高所から落下するリスクも含んでいることから、DIYで庇を設置することはお勧めできません。
庇を設置する際は、安全面や強度のことを考慮して施工会社に依頼するようにしましょう。
おわりに
玄関に取り付ける庇は、どのようなサイズが適しているか、またその考え方についてご説明しました。
庇は玄関から侵入する雨風を防ぐ、痛みや汚れを抑えることができる設備であるため、建築後に後付けするご家庭も多くあります。
一般的な庇は建ぺい率や固定資産税の関係から、1,000mm未満で設置されることが多いです。
庇を取り付ける際には当記事の内容を参考にしていただけますと幸いです。