住宅などの建造物を、雨風や日光などから守るための庇。
それとあわせて知っておきたい言葉に、軒や軒下・軒天などがあります。
こちらの記事では、軒天とは何か、どのような役割を持っているのかなどについて、ご説明します。
軒天とは
軒天とは、建物から突き出している軒の裏側に張られている天井パネルのことです。
別名で、軒裏とも呼ばれ、下から見上げた時には「軒天」、上から見下ろした時には「軒裏」という風に呼び分けされています。
軒天の種類
軒天には、ボード型のものと外壁と一体になったものとがあります。
建物の外壁がサイディング張りの場合は、ボード型、塗り壁の場合は、外壁と一体になったものという風に分かれています。
軒天の役割
軒天には主に以下の3つの役割があります。
軒天の役割1 建築物の美観を保つ
軒天があることで、垂木や野地板を覆い隠すことができます。
建築物は、人よりも大きいため、人が建築物を見る時には、自然見上げることが多くなります。
見上げた時に目に付く軒の下部に軒天があることで、建築物の美観を保つことができるのです。
軒天の役割2 外壁の雨風からの保護
軒天があることで、外壁を雨風による劣化や汚れから守ることができます。
軒天の役割3 延焼防止や防火効果
軒天があることで、火災時に、下からの火が軒に届くまでの時間を抑えることができます。
軒を越えて、屋根裏にまで火が届くと、屋根が焼け落ちてしまうことになります。
火の広がりを抑制するためにも、軒天は必要なのです。
また、隣家で火災があった場合にも、隣家の火災による火が自宅に燃え移るのを防ぐ効果もあります。
軒天の素材選びのポイント
以上の役割を果たすために、軒天の素材選びにおいては、耐火性・耐水性・デザインや色などのポイントに注意する必要があります。
耐火性が低い素材を選べば、十分な防火効果を期待することができませんし、耐水性が低い素材を選べば、雨風に対して劣化しやすくなる他、軒天の内側での結露が起こりやすくなります。
建築物の美観を保つ上では、建築物と調和するデザインや色であるかについても注意しなければなりません。
おわりに
軒天とは何か、どのような役割を持っているのか、などについて、ご説明しました。
軒の裏側に張られた軒下があることで、建物は美観を保ったり、雨風などから外壁を守ることができたり、延焼などを防いだりすることができます。
庇とあわせて、軒天についても、知っておきましょう。